「何から始めたらいい?」福祉団体の広報誌づくりがぐっと楽になる7つのステップ
2025.11.14コラム

福祉団体の広報誌制作を支援するための7つのステップを紹介する記事のイメージです。
はじめに
福祉団体の広報誌は、会員や現場職員、地域住民に情報を届けるための重要なコミュニケーションツールです。
一方で、
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何から始めればいい?
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ネタが尽きてしまう…
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制度の説明が難しくて正確に書けない
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写真が使えない現場でどう紙面を作れば?
など、広報担当者が抱える悩みは多岐にわたります。
特に福祉分野は、制度が複雑で専門用語も多く、個人情報や人権への配慮など、一般企業の広報誌以上に“気を付けなければいけない点”が多い領域です。
本記事では、全国の福祉・介護・地域福祉に関わる団体の広報物づくりに長年携わってきた編集者の視点から、
読まれる福祉団体の広報誌をつくるための基本と実務のコツ を徹底解説します。
これから広報誌を担当する方はもちろん、すでに制作経験のある方にも役立つ“保存版ガイド”です。
1. まず押さえたい、福祉団体の広報誌の役割
広報誌の目的はただの「情報伝達」ではありません。
福祉団体には、次のような役割があります。
<会員・現場職員への情報提供>
制度改正、研修情報、現場の取り組み、会議報告など、
“会員が活動するために必要な情報”をわかりやすく届けることが求められます。
<団体の活動を見える化する>
福祉団体は、行政や利用者・家族からの信頼が重要です。
広報誌は、「どんな活動をしている団体なのか」を伝えることで、外部への透明性を高めます。
<地域・行政との信頼構築>
地域包括ケアや多職種連携が進む中、
“社会資源としての団体の役割”を知らせることが信頼構築に繋がります。
<“読みたい”より“知りたい”に応える媒体>
福祉団体の広報誌はエンタメではなく、「必要な情報を正確に・親しみやすく伝える」目的が中心です。
そのため、正確性と読みやすさが何より大切になります。
2. 読まれる広報誌を作るための5ステップ
① 目的とターゲットを決める
ページを埋める前に、まずここを必ず決めます。
- 誰に届けたい?(会員・新人・現場・地域住民など)
- 何を伝える?(制度・活動報告・連携事例)
- 読んだ人にどんな行動をしてほしい?
この「企画の芯」があるかどうかで、紙面の質は大きく変わります。
② 特集テーマを選ぶ(福祉ならではの探し方)
福祉分野では次のようなテーマが人気です。
- 現場職員の声特集
- 制度改正の読み解き
- 利用者・家族のストーリー
- 地域連携の取り組み
- 他団体との共同プロジェクト紹介
テーマ探しは現場の課題と読者の知りたいことの交点にあります。
③ 企画〜取材の段取りをつくる
特に福祉の現場では「写真撮影NG・利用者の顔出し不可」「忙しくて取材時間が取れない」などの事情が多くあります。
そのため、
- 事前に質問を渡しておく
- 撮影が難しい場合は手元写真・後ろ姿・イラストを活用
- 取材対象者の負担を最小限にする
といった工夫が必要です。
④ 読みやすい構成をつくる(1ページ1メッセージ)
福祉団体の紙面は情報が多くなりがち。
「1ページで伝える内容は1つ」に絞ると、ぐっと読みやすくなります。
- 見出しを大きく
- 箇条書きを活用
- 図解・表を増やす
- 文章は短く、主語は明確に
が基本です。
⑤ 記事全体のトーンを統一する
専門知識が必要な分野だからこそ、
- 用語統一
- 敬称統一
- 表現の丁寧さ
- 避けるべき表現のチェック
など、編集段階で“読み手に伝わる言葉”に整えていきます。






