季刊『へるぱ!』廃刊に寄せて――訪問介護の現場とともに歩んだ月日
2025.04.22コラム

2025年1月、訪問介護の現場で働く介護ヘルパーやサービス提供責任者を応援するコミュニティペーパー『へるぱ!』が、第67号をもってその歴史に幕を下ろしました。
創刊から十数年、全国の在宅介護の最前線で活躍する皆さまのもとへ届いた『へるぱ!』。その誌面には、制度改正の解説や現場の工夫、読者から寄せられた悩み相談、先輩ヘルパーからの温かなメッセージなど、実にさまざまな情報が詰まっていました。A4サイズの紙面に込められたのは、まさに「現場の声」であり、「現場の味方」であろうとする編集部の真摯な想いでした。
当社・年友企画は、この『へるぱ!』の創刊時から企画・取材・編集と制作全般に関わらせていただきました。
ヘルパーとして働く方々のリアルな声を集めるために、現場に足を運び、電話や手紙、FAXでのやりとりに奔走した日々。制度や専門用語を、わかりやすく、でも正確に伝えるために何度も文章を練り直したこと。限られた紙面に、必要な情報を丁寧に詰めこむためのレイアウトの工夫……一つひとつの号に、制作チームの想いと工夫が込められていました。
『へるぱ!』が特に大切にしていたのは、「孤立しがちな訪問介護職の心に、少しでも寄り添える存在であること」でした。事業所の中で、時にひとりで利用者宅へ向かうサ責やヘルパーの方々が、ふと休憩時間にこの冊子を手に取り、「自分だけじゃない」「仲間がいる」と感じてくれたら——そんな願いを、いつも編集の根底に置いてきました。
読者の皆さまから届く「いつも参考にしています」「これを読むと元気が出ます」という言葉に、私たちも何度励まされたことでしょう。

へるぱ!創刊号の表紙
しかし、介護業界や媒体を取り巻く環境の変化は大きく、創刊から十数年が経った今、『へるぱ!』も一つの区切りを迎えることとなりました。
発行元である一般財団法人医療経済研究・社会保険福祉協会(社福協)様にとって、廃刊という決断は、決して簡単なものではなかったと思いますが、それでもこれまでこの媒体が果たしてきた役割と、関わってくださったすべての皆さまのご尽力を思えば、感謝の気持ちでいっぱいです。
長年にわたり、『へるぱ!』を支えてくださった読者の皆さま、取材にご協力いただいた現場の方々、原稿を寄せてくださった専門家の方々、そして発行に尽力された社福協様には、心より御礼申し上げます。
なお、『へるぱ!』という媒体は紙の形から離れましたが、役立つ情報の発信はウェブサイト「へるぱ!WEB版」にて今後も継続されていきます。
紙の媒体としての『へるぱ!』はひとまず幕を下ろしますが、訪問介護という仕事の価値、その担い手である皆さまへの敬意と応援の気持ちは、これからも変わりません。当社としても、引き続き介護現場に寄り添い、役立つ情報を発信し続けてまいります。
どうかこれからも、現場で働く皆さまの想いや声が、正しく、温かく、社会へ届けられますように。
2025年春
年友企画株式会社